一画面に複数のコインを並べる理由
暗号資産の市場では、多くのコインがビットコインと同じ方向に動く時間が長く続きます。そのためアルトコインのチャートを一つだけ見ていると、いま見えている上昇や下落がそのコイン固有のものか、市場全体が一緒に動いた結果なのかが分かりません。ビットコインのチャートを基準として横に置くと、この区別がずっと楽になります。ビットコインが静かなのに一つのコインだけ大きく動いたなら、そのコイン側に理由がある可能性が高く、すべてが同じ足で一緒に動いたなら市場全体の流れと見るほうが自然です。チャートを並べるのは予測のためではなく、いま起きていることを正しく分類するためです。
最初にそろえる条件
比較に意味を持たせるには、どの画面も条件が同じでなければなりません。一方が15分足、もう一方が1時間足だと、同じ一日でもまったく違う形に見え、連動か乖離かを判断できません。取引所が違えば足の区切りの時刻や騰落率の基準が変わることがあり、ウォン建ての市場とドル建ての市場を混ぜると為替や国内外の価格差が入り込みます。次の四つをそろえてから比較を始めるのがよいでしょう。
- 足の長さ:比べる画面はすべて同じ足の長さにする
- 取引所と基準通貨:できれば一つの取引所の同じ基準通貨の市場どうしで見る
- 比較の単位:価格はそれぞれ違うので、数字ではなく変化率で読む
- 指標の設定:移動平均やバンドなどの指標は全画面で同じ値を使う
連動を確かめる方法
一緒に動いたかどうかは、目分量より具体的な地点で確かめるほうが正確です。ビットコインが大きく動いた足を一本選び、ほかの画面でも同じ時刻の足が同じ方向に動いたかを見ます。次に、直近の高値と安値ができた時刻が画面ごとに近いかを確かめます。方向は同じでも幅は違うことがある点も覚えておきましょう。同じ下落の足でアルトコインの足がずっと長く出たなら、方向は連動したものの揺れの大きさは違ったということです。一、二本ではなく、何度かの大きな動きで同じ様子が繰り返されるかを見ることが大切です。
乖離が見えたときに先に確かめること
ビットコインと違う動きをするコインが見えたら、すぐに意味づけをするより、原因になりそうなものを順に消していきます。多くはチャートの外の事情で説明がつきます。
- そのコイン固有の材料:取引所の告知、上場や注意銘柄の指定、ロックされていた供給の解除予定
- 出来高:別の動きをした足に出来高が伴っているか、少ない取引で価格だけが跳ねたのか
- 基準通貨:ウォン建てのチャートなら、為替や国内外の価格差が動いたのではないか
- 取引の薄い時間:深夜や週末など参加者が少ないときに起きた動きではないか
何画面がちょうどよいか
画面を増やすほど一度に見られるコインは増えますが、一つひとつが小さくなり、足や指標が読みにくくなります。広いモニターでも実際に丁寧に比べられる数は思ったより少なく、スマートフォンでは画面が縦に積まれるので四つほどが限界に近いでしょう。構成は目的で決めます。市場全体と比べたいなら、ビットコインとイーサリアムを固定し、残りの画面に見たいコインを置きます。一つのコインを深く見たいなら、同じコインを二つの画面に出して足の長さを変える方法もありますが、これは複数コインの比較とは別の用途なので、マルチタイムフレームの記事もあわせて参考にしてください。
並べて見るときによくある錯覚
チャートを多く並べると、見えるものが増えるぶん、偶然を法則と取り違えやすくもなります。九つの画面を見ていれば、そのうち一つくらいはもっともらしい形を作るものです。また、一緒に動いたという事実は、どちらが原因なのか、この先もそうなるのかを教えてくれません。ビットコインが先に動き、アルトコインが後を追うという話もよく聞きますが、実際に何本の差があったのかを自分で確かめずに信じると、過ぎた区間に合わせた説明になってしまいます。最後に、形成中の足は確定するまで変わり続けるので、比較は確定した足どうしで行うほうがぶれません。
このサイトのリアルタイムツールで確かめる
コインマルチチャートは、選んだコインのリアルタイムのローソク足を1・2・4・6・9画面に分けて一画面に表示します。画面ごとにコインと足の長さを別々に選べるので、比較するときは全画面を同じ足の長さにそろえ、指標ボタンで移動平均・ボリンジャーバンド・出来高を全画面まとめて表示すれば十分です。各画面には RSI の値がバッジで付き、リンクのコピーでいまの構成をほかの端末でそのまま開けます。一緒に動く度合いを数字で見たいときは、コイン星座マップが収益率の相関係数を1日から90日までの期間で測り、直前の期間と比べてくれます。マルチタイムフレームトレンド表は、売買代金上位のコインのトレンドを足の長さ別に一つの表にまとめており、ビットコインとほかのコインが同じ方向を向いているかを見渡すときに使います。
まとめと注意
複数のコインを一画面に置く要点は、ビットコインという基準を横に置き、同じ条件にそろえたうえで連動と乖離を分けて見ることです。乖離が見えたら材料・出来高・基準通貨・時間帯を先に確かめ、一緒に動いたという事実を次の動きの根拠にしないようにします。この記事はチャートを比べて読む方法を説明したもので、投資助言ではありません。どのコインをいつ売買するかは、それぞれの状況に応じて自分で判断する問題です。
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